2017年12月22日金曜日

小田原寺子屋スクール 平成29年12月度の授業

平成29年12月17日(日)に12月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は、孔子の一生についてさらに理解を深め、『論語』の中から新たに3つの文章を学びました。孔子は魯の国の曲阜(きょくふ)という街に生まれました。母は宗教者で、当時の宗教者は「儒」と呼ばれていました。孔子がのちに完成した儒教の「儒」という字は、母の一族の一字を取ったと考えられています。30歳のころには、優れた学者として認められ、弟子も増えてそのお礼で生活できるようになりました。孔子先生の授業内容は「詩・書・礼・楽」が中心で「詩」は現代の詩と同じ、「書」は歴史の記録、「礼」は儀式の作法、「楽」は音楽です。『詩経』はその頃読まれていた詩を集めた書物、歴史の記録はのちに集められて『書経』という書物になりました。また、孔子には音楽の才能もあったそうです。
 最後に、今月学んだ『論語』の文章の中から、栗田先生がとても重要です、とおっしゃっていた一つを紹介します。

 子曰く、学んで思わざれば則ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し。

「先生は言われた。書物や先生から学ぶだけで自分で考えないと、混乱するばかりだ。考えるだけで自分で学ばないと、不安定だ。」という意味です。

【第二時限】朝比奈豊先生(毎日新聞社会長)

 朝比奈先生は1971年に毎日新聞社に入社され、以来、記者、経営者として活躍されてきました。授業では「東日本大震災と高校野球」と題して、2011年に春の選抜高校野球大会会長を務められたときのことを話して頂きました。大会開幕を12日後に控えた同年3月11日、東日本大震災が発生し、先生は大会を開催すべきか否かの大きな決断を迫られることになります。今年は大会を中止すべきとの電話やメールが殺到する中、甲子園を夢見て練習してきた選手たちにとっては一生に一度のチャンスになるかもしれないと、とても悩まれたそうです。出場校が甲子園入りする中、被災された地元の人たちのためにボランティア活動を続けていた宮城県の東北高校の選手たちのことを聞き、開幕5日前に招集された臨時の特別理事会では全員意見を出し合って議論を尽くし、ついに開催を決断されました。
 3月23日の開会式で岡山・創志学園高校の野山主将が行った選手宣誓は、選手自身が考えた言葉だったそうです。「宣誓。私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです。被災地では、全ての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。人は仲間に支えられることで、大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。がんばろう!日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で、正々堂々とプレーすることを誓います。」
 優勝した東海大相模高校の佐藤主将は、決勝戦の後、「開催してくれた高野連の方々、開催を許してくれた被災地の方々に感謝の気持ちを持って...」と語りました。
 最後に大会歌「今ありて」を聴かせて頂き、数々のエピソードとともに感動を伝えて頂きました。

 次回、平成30年1月度の授業は、1月14日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は柴田秋雄先生(元JR連合事務局長)をお招きします。柴田先生の講義タイトルは「より幸せな従業員をつくる」です。

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