2017年7月19日水曜日

小田原寺子屋スクール 平成29年7月度の授業

平成29年7月9日(日)に7月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は「春秋に富む」という言葉を学びました。この言葉は中国の大歴史家、司馬遷が書いた『史記』が出典で、年が若く将来があるというプラスの意味です。ただし、もともとは、年が若く経験が乏しいというマイナスの意味で使われていました。漢の時代に劉邦と呂后の間に生まれた惠帝という幼い皇帝を指して使われた言葉であること、呂后という女性はとても残忍で、中国三大悪女の一人と言われていることを学びました。
 若い人を指す「春秋に富む」に関連して、自分の年を3で割った数字が人生の時間であるという年齢の計算式や「不惑」という言葉について教えて頂きました。例えば、20歳は20÷3=6と3分の2で、午前6時40分にあたり、朝を迎えてエネルギーが満ち満ちている時刻。40歳は40÷3=13と3分の1で、午後1時20分。会社員ならお昼を過ぎてもうひと仕事といった頃合いです。「不惑」は現在でもよく使われ、『論語』では、40歳を「不惑」つまり、もう迷わない年齢としています。

【第二時限】鈴木洋嗣先生(ノンフィクション編集局、編集総務局担当 執行役員)

 鈴木先生は週刊文春編集長、月刊文芸春秋編集長を経験されました。決まりきった仕事ではなく、どこでも出かけて行き、取材できる仕事をしたいと考え、出版社の文芸春秋社に入社されました。入社早々にエジプトへ一週間、帰国してすぐに北海道へ取材で飛んだこともあったそうです。
 授業では「週刊文春」ができるまでの過程と編集部の仕事について教えて頂きました。毎週木曜日に発売される「週刊文春」の記者の仕事は、前週の木曜日ネタ出しの会議に始まります。金、土曜日で取材、日曜日にはタイトルを決め、月曜日に取材のまとめ、月曜の夜から火曜日の朝まで徹夜で原稿を書き上げます。原稿は火曜日にデスク、編集長がチェックし、夜に締め切られ、水曜日中に印刷、製本されて店頭へと配送されます。
 スクープはリークから、人は信用した人にしゃべる、記者にとって大切なことは信用してもらうこと、記者は読者の代理人、読者目線で聞きたいことを聞きに行くことが仕事、リスクを恐れず最後まで取材を尽くすことなど、私たちが日常知ることのできない貴重なお話を伺うことができました。

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