2017年4月11日火曜日

小田原寺子屋スクール 平成29年4月度の授業

新学期がスタートしました。第八期生を迎え、平成29年4月9日(日)に4月度の授業を行いました。

【第一時限】 栗田亘先生

 今月は、授業始めに、現在シリアで起きている内戦について学びました。シリアでは政府軍と反政府軍が衝突し、化学兵器の使用を巡ってアメリカのトランプ大統領がアサド政権の空軍基地をミサイルで攻撃したと発表したことやトランプ大統領と会談した中国の習近平国家主席は中立の立場をとり、日本の安倍首相はアメリカを支持すると表明したことなど、世界の情勢について解説していただきました。
 続いて、戦争に関係がある中国の言葉を2つ学びました。「春秋に義戦なし。」という『孟子』に出てくる言葉は、戦争のなかで「正義」という言葉が当てはまる戦争は一つもないという意味です。また、「百戦百勝は善の善なる者に非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり。」は、百回戦って百回勝つことが最上の勝利ではなく、戦わずして相手を屈服させることこそ最上の勝利であるという孫子の教えです。孫子の言葉を集めた『孫子』には、兵法(戦争のやり方)に関する教えが記され、『孫子』がナポレオンの愛読書であったことを教えていただきました。冒頭のシリアの戦争で多くの人々が犠牲になっていることを考えると、孟子や孫子の言葉が現代にも通じる教えであることが改めて分かります。

【第二時限】 窪田哲夫先生(拓殖大学客員教授)

 今年一月の授業に続いて、佐藤一斎の『言志四録』の言葉1133条の中から数箇条を取り上げて教えていただきました。窪田先生が最も好まれている「已むを得ざるにせまりて、しかる後にこれを外に発する者は花なり。」という言葉は、秋に葉を落とし、冬に根っこが幹に栄養を送り、春にやむにやまれなくなって、花がつぼみを破って咲くように、人の内側から自然と外に満ちあふれ出るようなものの美しさと強さを表しています。
 神様(天)はいつもあなたを見ている、堂々とできることをやろうという教えや、昨日は今日のために、今日は明日のために、歴史の中から未来のヒント見つけようという教えを学びました。また、終わったことはいつまでもひきずらず、失敗や間違いに気づいたらすぐに改めようという意味の「昨の非を悔ゆる者は之れ有り、今の過ちを改むる者は鮮なし。」という言葉も教えていただきました。
 授業の最後に、ヘレンケラーに影響を与えた日本人、「群書類従」という本で日本の1500年の歴史に残すべき書籍を666巻にまとめた「塙保己一」、4万人の子供たちにキャンプを通じて自然の中でどう生きていくかを教えた「小野田寛郎」について解説していただき、日本人の誇り、素晴らしさを学びました。


 次回、平成29年5月度の授業は、5月14日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は加藤憲一先生(小田原市長)をお招きします。加藤先生の講義タイトルは、「命を守り育てる地域自給圏」です。

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