2016年9月26日月曜日

小田原寺子屋スクール 平成28年9月度の授業

平成28年9月11日(日)に9月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は、栗田先生が訪問されたばかりの中国の古都「西安」を現地の写真を交えて紹介いただきながら、李白の詩を学びました。西安は、古くからある都「洛陽」の西に位置することからその名前がつき、昔は「長安」と呼ばれました。紀元前11世紀から紀元後10世紀までの約2千年間、都として栄え、歴史上の有名な人物「秦の始皇帝」「漢の武帝」「司馬遷」「楊貴妃」などがこの都を中心に活躍しました。現在の西安は人口8百万人、中心部は高層ビルが立ち並ぶビジネス街、郊外は工業地区になっています。西安と北京などの大都市は、日本の新幹線にあたる高速鉄道で結ばれ、その平均時速は3百キロとかなり速いですが、栗田先生は揺れが少なく乗り心地は良かったとおっしゃっていました。また、西安にある世界遺産、秦の始皇帝の兵馬俑(へいばよう)についても詳しく解説していただきました。兵馬俑とは兵士と馬のはにわを意味し、実物は高さ1.7~1.9mと大きいそうです。
 詩人の李白(701~762年)も長安に住んでいたそうです。授業では「子夜呉歌(しやごか)」という詩について解説していただきました。「長安一片の月」から始まるこの詩は、戦場に出て行った夫の帰りを都で待ち続ける妻の気持ちを詠っています。

【第二時限】小林輝夫先生(元二宮尊徳記念館長)

 小林先生は、現在、尊徳記念館の解説員として活躍されています。二宮金次郎(尊徳)の一生について解説していただき、金次郎の生き方、教えの一端を学びました。金次郎の生き方は「読書は縦糸、実行することは横糸」という言葉で表されることを教えていただきました。また、心豊かに生きるための教えとして、「売って喜び、買って喜び、信頼を得る」という商売の考えや、「人の手は自分のこともできるが、人を助けることもできる」ということをお話していただきました。このことは、福祉としての考えにも通じています。授業後半では、二宮金次郎の歌や栃木県の今市にある金次郎の墓などについて紹介していただきました。


 次回、10月度の授業は、10月9日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は瀬野和広先生(設計アトリエ代表取締役)をお招きして行います。