2015年11月9日月曜日

小田原寺子屋スクール 平成27年11月度の授業

平成27年11月8日(日)に11月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は『論語』から二つの漢文を学びました。
 ◆子曰く、過ぎたるは猶及ばざるがごとし
 ◆球や退く。故にこれを進む。由や人を兼ぬ。故にこれを退く。
 一つ目は「ものごとには適当な度合いというものがあり、過不足のない、ちょうどいいことこそ大切である」という意味で、料理の塩加減に例えて分かり易く解説していただきました。二つ目は、孔子が引っ込み思案の弟子には正しいことをすぐに実行するように、一方で積極的すぎる弟子にはすぐに実行するのではなく、まず年長者の意見を聞くように指導した、という意味で、二つの漢文には共通の教えがあるようです。
 授業の冒頭では、栗田先生が先日、イランのペルセポリスという都市の遺跡を訪れたときの写真を紹介していただきました。この都市は、インドで釈迦が誕生した頃と中国で孔子が誕生した頃の間にあたる紀元前6~4世紀に栄えました。全世界を見渡して歴史を学ぶことの面白さを教えていただきました。

【第二時限】高橋宏先生(元東洋経済新報社会長 小田原出身)

 高橋先生は、東洋経済新報社で記者、編集長、社長、会長として長きにわたり活躍されました。新聞部に所属していた高校時代に、社会科学に興味を持ち、大学ではマルクス経済学と近代経済学の2つの経済学を勉強されました。
 『東洋経済新報』の石橋湛山が敗戦直後に書いた社説「更正日本の門出-前途は実に洋々たり」に感銘を受け、バブル崩壊時代にはこれからの日本を思い元気が出る記事を書こうと努められたそうです。若い人たちには、その場の雰囲気や時代の潮流に流されない、精神的に自立した人間になってほしいとのメッセージをいただき、そのためには読書の習慣を身に付け、長い本が読めるようになること、朝読のすすめを説いていただきました。
 授業後半では、これからの中国経済について、循環要因(短期)と成長要因(中長期)の2つの見方を解説していただき、直面する課題や中国への期待についてお話していただきました。

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